OASPA(Open Access Scholarly Publishers Association、オープンアクセス学術出版社協会)は、8月17日、NASA(National Aeronautics and Space Administration、米国航空宇宙局)が発表したパブリックアクセス計画"NASA's Public Access Plan, Increasing Access to the Results of Scientific Research"に関するRFI(Request For Information、意見招請)への回答を公表した。
同会は、OA(オープンアクセス)を実現するあらゆるルート・形態・出版モデルをサポートしてきたことや、ルートやモデルに関係なく、OAにおける公平性・包摂性の保証に特に焦点を当てて取り組んでいることを紹介。
同会は、特定のモデルを推進しないという点で同局と考え方が一致しているとしたうえで、同局のデータ・ソフトウェアに対するアプローチへの支持、出版物のエンバーゴ(公開猶予期間)の廃止に対する歓迎の意を表明した。
一方で、同会は、研究の再利用を可能にすることの重要性を強調しつつ、より包摂的で公平なOAに向けた対話や支援を同局に要求。
同局が同計画草案において、あらゆるバージョンの出版物のリポジトリでのOA化を強調しつつ、VoR(Version of Record)のOA化に研究助成金の使用を認める積極的意志をあからさまにしている点が出版機会の不公平を助長し得ることや、再利用よりもアクセスに偏重することでパブリックアクセスとOAの両方の利点が失われることなどについて懸念を表明した。
また、研究者が費用を負担しないS2O(Subscribe to Open)やダイヤモンドOAなどに対してAPC(論文掲載料)モデルと同等の支援がほとんどないことなどについても指摘しながら、上記課題に対する同会の提言を示した。
[ニュースソース]
OASPA response to NASA RFI 2023 - OASPA 2023/08/17(accessed 2023-08-24)
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