cOAlition S発足からこれまでの世界のOA化の動き(記事紹介)

2023年09月11日

ヨーロッパ

cOAlition Sは、9月4日、"Five years of Plan S: a journey towards full and immediate Open Access"と題する記事を公開した。

これは、発足から5年がたったcOAlition Sのこれまでと今後の活動および、世界のOA(オープンアクセス)の広がりついて述べたもの。

2018年の発足から5年間で、cOAlition Sに参加する助成機関はヨーロッパ、米国、オーストラリア、南アフリカに広がり、28に達したと紹介。2022年8月に発表された米国OSTP(Office of Science and Technology Policy、大統領府科学技術政策局)の覚書をはじめとし、カナダ、インド、ドイツなどで、即時OAを明記した方針が打ち出されたこと、5月のG7科学技術大臣宣言など、各国政府が研究成果のOA化について積極的に発言するようになったことなどを述べている。

cOAlition Sは、OA推進のため、Plan Sの準拠方法として完全OA、TA(Transformative Arrangement、転換契約または移行契約)、リポジトリの利用など、さまざまなOA出版ルートを支援してきたことに言及。しかし、Transformative ジャーナルのOAへの転換率が低いことから、cOAlition SはTAへの財政支援終了を決定したと述べている。

cOAlition Sは、今後も公平なOA化を目指して活動するとし、非APC(論文掲載料)モデルの検討やさまざまな国際機関との連携など、具体的な活動内容についても言及している。

[ニュースソース]

Five years of Plan S: a journey towards full and immediate Open Access - Plan S 2023/09/04(accessed 2023-09-08)

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