eLifeの新出版モデル開始から6カ月間をデータやアンケート結果から振り返る(記事紹介)

2023年10月05日

北米・中南米 ヨーロッパ

eLifeは、9月28日、"eLife New Model at Six Months: An ICOR analysis"と題する記事を公開した。

これは、1月に論文投稿の受付を開始したeLifeの新しい出版モデルに関して、6カ月間のデータや、編集者・著者・読者を対象に行ったアンケート調査の結果を、ICOR(Incentivizing Collaborative and Open Research)※がまとめたもの。

調査結果の概要として、査読に進んだ論文の割合が新旧モデルでほぼ同じであったこと、査読付きプレプリントは従来の査読付き論文よりも早く公開できるため、未査読プレプリントとVoR(Version of Record)の中間的な存在となっていることなどを示している。

新モデルの課題についても言及。Reviewing Editorの多くが査読者の確保に困難を感じており、新モデルの利点をコミュニティーに伝える必要があると回答していることが述べられている。そのほか、Reviewing Editor・Senior Editor・著者・読者それぞれの新モデルに対する評価が示されている。

本分析の注意点として、1月にeLife が投稿システムを刷新したため旧モデルとの比較が困難で、2年ほど経過すればより明確な結果が得られると予想している。

※オープンサイエンスの促進を目的とする、計画中または進行中プロジェクトのライブラリー。

[ニュースソース]

eLife New Model at Six Months: An ICOR analysis - eLife 2023/09/28 (accessed 2023-10-04)

[小欄関連記事]

2023年02月13日 eLife、新しい出版プロセスによる論文投稿の受付開始を発表

2022年10月24日 eLife、査読後の論文の採択・不採択の決定を廃止し査読済みのすべての論文を"Reviewed Preprint"として出版すると発表