PLOSは、11月13日、Wellcomeから獲得した助成金で行った研究データの共有・発見性向上に関する検証結果を公表した。
検証の1つは、出版された研究論文にリンクされたリポジトリ内の研究データをアイコンで強調表示することで、関連するデータセットへのアクセスが増加するかどうか。
PLOSは、Dryad、Figshare、OSFのいずれかへのリンクが含まれているPLOS論文への"Accessible Data"アイコンの自動表示を2022年3月29日に開始した。その結果として、1年間の同アイコンのクリック数が2万回以上を記録したこと、同期間におけるPLOS論文にリンクされた543のFigshareデータセットの1カ月の平均閲覧数は3.0回で、検証前の2.5回よりも上昇したことなどを示している。
検証のもう1つは、研究データをリポジトリに提出するオプションをジャーナル投稿システムに設けることで、リポジトリの利用が増加するかどうか。
PLOSは、PLOS Pathogens Editorial Manager投稿システムに、研究データをDryadにアップロードするオプションを表示する機能を2021年10月5日に開始した。その結果として、PLOS Pathogensのリポジトリ利用率33%は検証前からの継続的な増加にすぎないという。また、同機能を使って研究データを共有しなかった、または共有する予定がないと回答した理由として、「認知不足」「機能の使い方が不明」「データがすでに他のリポジトリにアップロードされている」などが多かったことを示している。
[ニュースソース]
Results of PLOS experiments to increase sharing and discovery of research data - PLOS 2023/11/13 (accessed 2023-11-20)
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2021年09月27日 PLOS、研究データの共有・発見性向上の検証のための助成金をWellcomeから獲得したと発表