RLUK(Research Libraries UK、英国研究図書館コンソーシアム)は、11月20日、英国政府に対し、公的かつ合法的にアクセス可能なデータが、AI(Artificial intelligence、人工知能)の訓練や分析に利用可能であることを実践規範(Code of Practice)に明確にするよう求める書簡に署名したと発表した。
本書簡では、合法的にアクセス可能なデータの利用制限や不均衡な法的要件は、同国における大規模なAIの開発を阻害するだけでなく、データへの不平等なアクセスに起因する既存の問題をさらに悪化させるとコメント。また、新規参入の障壁を設け、コストを引き上げる恐れもあると述べている。
同国が科学技術の競争力を維持するために、政府は実践規範を保証するべきであると述べ、実践規範として「オンラインで一般公開されているデータセットは、ライセンスの必要なくテキストマイニングやデータマイニングなどに利用できることを明確にする」「明示的な規定がなくても、著作権法には商業目的のテキストデータマイニングを認める例外や制限が存在することを認識する」「英国はAIを支援する規範が発展している国であることを認識する」ことなどを挙げている。
同書簡は、RLUKのほか、IP Federation、European Alliance for Research Excellenceなど9機関が署名している。
[ニュースソース]
RLUK signs text and data mining (TDM) in the UK letter ― RLUK 2023/11/20 (accessed 2023-12-05)
TEXT AND DATA MINING (TDM) IN THE UK ― IP Federation 2023/11/10 (accessed 2023-12-05)
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