UNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization、国連教育科学文化機関)は、2023年12月19日、"Number of countries with open science policies has almost doubled since adoption of UNESCO Recommendation"と題する記事を公開した。
本記事は、UNESCOが世界のオープンサイエンスの状況やトレンドをまとめた文書"Open Science Outlook 1: status and trends around the world"について概説したもの。
本文書の概要として、2021年のUNESCO総会で"UNESCO Recommendation on Open Science"が採択されて以来、11のUNESCO加盟国がオープンサイエンスポリシーを策定し採択前に比べ倍増したこと、一方、オープンサイエンスの状況には地域格差があり、オープンな出版物やデータリポジトリの8割強は西ヨーロッパと北アメリカに集中し、アフリカやアラブ地域は数パーセントとごくわずかであることなどを述べている。
UNESCOは、オープンサイエンスの課題として、社会との関わりや対話が注目されていないことに言及。オープンサイエンスの実践を共有し、互いに学び合うことが重要と述べている。
同文書は、CERN(European Organization for Nuclear Research、欧州原子核研究機構)主催の"International Year of Basic Sciences for Sustainable Development"の閉会式のプレセッションで公開されたもの。本セッションでは、CERNのオープンサイエンスポリシー、NASA(National Aeronautics and Space Administration、米国航空宇宙局)による"Transform to Open Science"の取り組み、アフリカにおけるオープンサイエンスの取り組みなどが示されたことも同記事で紹介している。
[ニュースソース]
Number of countries with open science policies has almost doubled since adoption of UNESCO Recommendation - UNESCO 2023/12/19 (accessed 2023-12-26)
Open science outlook 1: status and trends around the world - UNESCO (accessed 2023-12-26)
Opening Science for All - CERN 2023/12/14 (accessed 2023-12-26)
[小欄関連記事]
2020年10月30日 UNESCO、WHOやOHCHR、CERNとオープンサイエンスのための共同アピールを発表