NISTEP、「研究室パネル調査の枠組みによる日英独の研究環境の比較」を公表

2024年07月08日

日本

NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、7月3日、「研究室パネル調査の枠組みによる日英独の研究環境の比較」(DISCUSSION PAPER No.231)を公表した。

本報告書では、研究室パネル調査で検討した「我が国の研究力向上に向けた政策的インプリケーション、インセンティブ設計」のための分析の枠組みに基づき、日本、英国、ドイツの大学の研究環境について比較。分析を通じ、日本の大学の研究環境の改善や日本の研究力向上に向けたさらなる分析のための示唆を得ることを目的としている。

英国とドイツの大学で研究室を主宰している・主宰した経験をもつ日本人の教員5名ずつ、英国とドイツの研究支援部門で働く者2名ずつを対象に、インタビュー調査を実施した。

調査結果として、日本はいずれの職位でも多くの職務を担い研究活動に取り組みにくい特徴が見られた一方、英国とドイツでは教員の独立性が高く、主に研究に取り組むべき教員がその通りの活動ができるという特徴が見られたことを示している。

また、3カ国のいずれにおいても、研究活動を実施するには定常的な研究費のみでは不十分で競争的研究費の獲得が必要としているが、必要の度合い、獲得機会、額や使途などは異なっていたことを示している。

その他に、研究室メンバーおよびマネジメント、研究機器・設備などに関する調査結果も示している。

研究室パネル調査の枠組みによる日英独の研究環境の比較(html

※以上、NISTEP (accessed 2024-07-04)

[ニュースソース]

研究室パネル調査の枠組みによる日英独の研究環境の比較[DISCUSSION PAPER No.231]を公表しました - NISTEP 2024/07/03 (accessed 2024-07-04)

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