AAP(Association of American Publishers、米国出版社協会)は、9月4日、"Appeals Court Affirms Decision Against Internet Archive for Copyright Infringement"と題する記事を公開した。
これは、4出版社(Hachette Book Group、HarperCollins Publishers、Wiley社、Penguin Random House社)がIA(Internet Archive)に対して起こした著作権侵害訴訟における控訴審判決の内容を概説したもの。
第2巡回区控訴裁判所が、IAに対して著作権侵害の責任を認めた地方裁判所の判決を支持し、IAが主張するフェアユースに関する4つの主張全てを否定する判決を下したことを紹介している。
判決理由についても言及。非営利団体が、著作権で保護された図書のデジタルコピーの全文を、コピーの所有と貸し出しの比率が1対1であることを条件に、著作権者の許諾なしに無料でオンライン配布する行為が、著作権法の関連条項や過去の判例から、フェアユースにあたらないと結論づけたとしている。
さらに、「本判決は、著者や出版社が図書やその他の著作物の使用を許諾し、その対価を得る権利を支持するものである」「本判決は、営利か非営利かにかかわらず"controlled digital lending"※に関するIAの行為を否定するものであり、図書を世に送り出すためのエコシステムが、実際には著作権法に依存していることを指摘したものである」などとする、同協会CEOのコメントを紹介している。
※図書館が所蔵資料をデジタル化し、貸し出しできるようにするモデル。
[ニュースソース]
Appeals Court Affirms Decision Against Internet Archive for Copyright Infringement ― AAP 2024/09/04 (accessed 2024-09-10)
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