WIPOのPLRに関する調査結果に対するEIFLらの見解(記事紹介)

2024年10月21日

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EIFLは、10月15日、"WIPO PLR study is fundamentally flawed"と題する記事を公開した。

これは、EIFLやその他の図書館コミュニティーが連名で提出した、WIPO(World Intellectual Property Organization、世界知的所有権機関)のPLR(Public Lending Right、公共貸与権)※に関する調査結果に対する意見書を概説したもの。

まず、意見書のサマリーに言及。本調査には重大な欠陥、客観性の欠如があることや、PLRによって発展途上国の創造性が促進されるというWIPOの予測が誤りであると考えていることを示している。また、これらの問題を是正するためには、WIPOの通常業務範囲を超えるさらなる調査が必要であり、WIPOは本調査にこれ以上時間やリソースを費やすべきでないと考えているなどと述べている。

その後、本調査が、発展途上国が抱える根本的な問題を考慮していないこと、ヨーロッパを発祥とするPLRを発展途上国に導入することが有益であるという前提に立っていること、PLRのメリットに偏重していることなど、具体的な問題に言及している。

最後に、本調査は、世界人権宣言に定められた原則に基づき、著作物の使用は全て報酬の対象となるべきであるという著者団体の主張をそのまま受け止っていると指摘。一部の著者団体はPLRを正当化する根拠として人権を主張しており、問題を明確にするため、WIPOはアクセス権と人権に関する調査を委託すべきであると述べている。

※著者やその他の権利保持者に、図書館による図書やその他の著作物の貸し出しに対して対価を得る権利を与えること。

[ニュースソース]

WIPO PLR study is fundamentally flawed - EIFL 2024/10/15 (accessed 2024-10-17)