従来の出版モデルの代替として期待される査読付きプレプリントモデルおよびPRCモデルの概要(記事紹介)

2024年10月31日

ヨーロッパ

cOAlition Sは、10月28日、"Peer-reviewed preprints and the Publish-Review-Curate model"と題する記事を公開した。

これは、査読付きプレプリントモデルおよび同モデルにキュレーション※1プロセスを追加したPRC(Publish-Review-Curate)モデルの概要や問題点、およびその解決策などを示したもの。

本記事は、両モデルを概説した後、プレプリントサービスが提供する査読が、従来のジャーナルのように、正式な決定("validated"または"not validated")を下すものではなく、単に肯定的・否定的両方を含めた見解を示しただけであることなどに言及。読者が査読あるいはキュレートされたプレプリントを検証済みと誤解するといった問題を引き起こす可能性があるなどと指摘した。

そのうえで、PCI(Peer Community In)※2では、同問題の解決策として、プレプリントの査読結果として「アクセプトまたはリジェクト」を明確に示していることを紹介。PRCモデルの査読またはキュレーションのプロセスにおいて、同様の仕組みを取り入れるよう提案している。

※1 ジャーナルやその他のサービスによって管理されたコレクションでプレプリントを発表するための選択的プロセス。

※2 プレプリントの査読を無償で行っている研究者らが運営する非営利団体。

[ニュースソース]

Peer-reviewed preprints and the Publish-Review-Curate model ― Plan S 2024/10/28 (accessed 2024-10-29)

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