Coalition Sは、11月28日、"How the Web of Science takes a step back"と題する記事を公開した。
これは、WoS(Web of Science)がeLifeに掲載された論文をSCIE(Science Citation Index Expanded)から除外する決定を下したことに関する見解を述べた、HHMI(Howard Hughes Medical Institute、ハワード・ヒューズ医学研究所)Bodo Stern氏のブログ記事。
本記事は、2023年に導入されたeLifeの新出版モデル"Publish, Review, Curate"によって、「不十分」あるいは「不完全」なエビデンスを伴う論文が出版される可能性があるなどとして本決定が下されたと説明。この決定に対し、より透明性が高く有用な査読形式を試みる革新的な出版モデルの導入が妨げられる可能性があるなどと、懸念を示している。
また、伝統的な査読形式を採用する従来のジャーナルでも不十分あるいは不完全なエビデンスを伴う論文が出版される可能性があると指摘。読者が健全な研究成果を報告がなされたと信じ込まされるため、不適切な論文が出版された際の被害は従来のジャーナルの方が深刻であると述べている。
さらに、査読や出版に関する検討によって保証する論文の質に対して、ジャーナルが責任を持つような索引サービスが科学には必要であると主張。オープンな査読、筆者が別のジャーナルに査読を依頼した際に査読報告書の共有を行うeLifeのようなジャーナルは、適切で効果的な査読を推進していると述べ、索引から除外されるべきではないなどと主張している。
[ニュースソース]
How the Web of Science takes a step back ― Plan S 2024/11/28 (accessed 2024-12-04)
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