冊子体ジャーナルは終焉を迎えるか?

2007年12月06日

北米・中南米

米国研究図書館協会 (Association of Research Libraries、ARL) は、この度、“The E-only Tipping Point for Journals: What’s Ahead in the Print-to-Electronic Transition Zone”と題する報告書を発表した。

これは、現在、ジャーナル発行形態が冊子体から電子媒体へ移る過渡期にあり、その将来を図書館や出版者の立場で考察したものである。

(Executive Summary の抜粋)
冊子体ジャーナルは、公共機関ではその役割が5〜10年以内に急落し、専門分野に特化したニーズ・ユーザー・ビジネスチャンスに対してのみ存続する。財政事情により、まず図書館で、最終的には出版者で、大半の冊子体ジャーナルの講読・出版が理にかなわなくなる。

出版者は、冊子体への投資を見直し、電子出版インフラ等へ投資する。コスト負担に悩まされている出版者のようにいち早く方向転換する者もあれば、個人講読や広告収入で自活している出版者のように、ゆっくりと転換する者もある。

学術コミュニケーションの生産性を新たに重視し、新ビジネスモデルや新研究手法を探ることとなる。また、学術成果への長期アクセス保証のような厄介な問題は収拾・解決されよう。

[ニュースソース]
ARL Publishes Report on Journals' Transition from Print to Electronic Formats