オーストラリアのOAK(Open Access to Knowledge) Law Project は、この度、「学術出版契約とオープンアクセス(OA)方針の調査分析」"A Review and Analysis of Academic Publishing Agreements and Open Access Policies"と題する報告書を発表した。
同プロジェクトは、オーストラリアの学術研究セクターにおけるOA推進に関し、著作権上の法的枠組みを作るためにクイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology、QUT)が中心となって取り組んでいるもの。今回の調査は、国内主要学術出版社の契約書の収集分析、学術ジャーナル出版社のOA方針の現状調査、論文著者の意識調査等を対象とした。
調査結果の概略は次のとおり。
・大半の出版社は、公式のOA方針を持たない(持っているのは、調査対象64社中、4社のみ)
・出版社の62.5%は、OAレベルをSHERPA/RoMEO色分類システムで表示する情報を有する。
・SHERPA/RoMEO色分類システムによれば、出版社の25%は緑(すなわち、プレプリントとポストプリントのアーカイブを許可)、4.7%は青(ポストプリントのアーカイブを許可)、6.25%は黄(プレプリントのアーカイブを許可)、22.6%は白(アーカイブ不支持)。
なお、出版契約とOA方針に関するOAKList Database により、研究者が論文をオンライン発表してもよいかが容易に判断できる。
[ニュースソース]
A Review and Analysis of Academic Publishing Agreements and Open Access Policies
Australian review of publisher OA policies