エルゼビアのHINARI論に異論

2008年06月09日

ヨーロッパ

「HINARIの恩恵を受けている途上国では、国際的な査読学術ジャーナルに論文を発表する著者の数が他国より大幅に増加した」旨のエルゼビアの言い分に対し、電子出版の専門家から次のような批判が出ている。

いわく、当該結論はエルゼビアの一社員が行った非公式なISIデータ分析によるものであり、手法とデータが分からなければ、結論は意味をなさない。途上国の研究成果発表数の増加は、OA文献の増加に因るものであろうが、インパクトの測定方法は、ISI 索引誌での発表以外にもある。途上国の研究者の論文発表・引用様式を十分調査し、種々のアクセス増加策の効果をよりよく把握しなければならない。

HINARI計画の責任者も、「簡単な分析では、途上国の研究成果発表増がHINARIだけのお陰かどうかは立証できない。HINARIも貢献ファクターではあるが」としている。

[ニュースソース]
More on the Elsevier HINARI study

[関連サイト]
STIへのアクセス増進が研究成果を充実