欧州合同素粒子原子核研究機構(CERN)とスタンフォード線型加速器センター(SLAC)の研究者が、高エネルギー物理学(High-Energy Physics、HEP)分野の論文引用・閲覧行動(behaviour)に関する共著論文"Citing and Reading Behaviours in High-Energy Physics. How a Community Stopped Worrying about Journals and Learned to Love Repositories" (PDF 13ページ)を発表した。
Abstract試訳:
現代の学術論文は、300年の伝統を誇る査読誌での発表のほか、多くの別の経路で発表される。HEP分野では、数十年にわたってコミュニケーション手段の選択肢を探ってきた。当初は、論文のpreliminary原稿コピーの大量郵送、次いでオンラインリポジトリーと電子図書館を開始した。
この分野は、学術コミュニケーションの最新動向について繰り返して訊ねられる次のような質問に対し、独自の回答がある。
・論文をリポジトリから発信(しかも多くはpreliminaryな形で発信)するのは、科学者にとってメリットがあるのか。
・オープンアクセス(OA)誌での発表はメリットがあるのか。
・科学者はまだ学術誌を読んでいるのか、あるいはデジタルリポジトリを利用しているのか。
引用分析によると、HEPでは、プレプリントをオンラインにより無償で即時流通させると大きなcitation advantageが生まれるのに対し、OA誌での発表は目に見えたメリットが無いことが分かった。
[ニュースソース]
Citing and Reading Behaviours in High-Energy Physics. How a Community Stopped Worrying about Journals and Learned to Love Repositories - arXiv