OA運動が学術出版業界にもたらした変革(論文)

2009年12月17日

北米・中南米

サンノゼ州立大学図書館情報学科のMargaret A. Driscoll 氏が、オープンアクセス(OA)運動がいかに学術出版界を変革させたかを考察した論文"Open Their Eyes: How the Open Access Movement has Changed the Scholarly Publishing World for Academics "(PDF 16ページ)を発表した。

(Abstract試訳)
学術出版業界は、少なくとも部外者にはよく分からない世界だ。終身在職権を得たばかりの教授ですら、出版のプロセスとインパクトに戸惑う。長年にわたり研究実施手順があり、論文(end product)執筆・投稿・受理方針もある。研究者は、出世(終身在職要件を満たすことから能力に基づく昇進に至るまで)での出版の役割を斟酌しなければならない。出版の舞台の重要性は分野特有であるが、ますます広がる総合領域にあっては分かりにくい。また、研究者は、自分の研究がいかに後々の研究に貢献し引用されたかを示す指標として、伝統的なインパクトファクター(被引用件数)に頼らざるを得なかった。学術出版は、現在、激変の時代にある。文献電子配信技術の開発でOA運動が可能となった。OA誌での発表は研究者にやり甲斐を与える一面がある一方、出版の舞台としてやむにやまれないインセンティブだという面もある。図書館員は研究者のために務めるが、リソース面の支援の他、変わりゆく学術出版の姿についての情報や目を見張るような見識を提供する。

[ニュースソース]
Open Their Eyes: How the Open Access Movement has Changed the Scholarly Publishing World for Academics – E-LIS 2009/11/6