英国情報システム合同委員会(JISC)が昨年発表した学術出版モデル調査報告書で述べた調査方法や結論にふれながら、選択的出版モデルの経済性を考察した論文"The economic implications of alternative publishing models"が発表された。
同報告書の著者でもあった豪ビクトリア大学戦略経済学研究センターJohn W. Houghton氏と英ラフバラー大学情報科学部Charles Oppenheim氏の共著。なお、同報告書は発表直後に出版業界から異論が唱えられた。
(Abstract試訳)
知識経済とは、知識の創出・活用が富の創造において支配的な役割を担っている経済である。知のフロンティアを越えるだけではなく、経済活動であらゆる知識をより有効利用ことでもある。主な疑問は、研究者に一層役立ち、研究成果を一層有効に伝え流通させることのできるような学術出版の新しいチャンスやモデルがあるかということである。本稿は、JISC調査の方法と結果を総括し、科学・学術出版の選択的モデルの費用と潜在的利用を検討する。異なった出版モデルは、研究コミュニケーションが直面する費用や受ける恩恵に大きな差異を生み、公的助成研究成果をより一層オープンアクセスにすれば大きな純益を生むであろうと結論する。
[ニュースソース]
The economic implications of alternative publishing models - Prometheus, Volume 28, Issue 1 March 2010 , pages 41 - 54
[関連サイト]
・英国:RINとJISCのOA調査結果への批評 - 2009/6/4
・英国:3出版社協会、JISCレポートに反証 - 2009/4/10
・英国:JISC、OA出版モデルの経済効果を試算した報告書を発表 - 2009/2/2