英国では、2012年央に打ち出されたFinchレポートや政府、英国研究会議(RCUK)の公的助成研究成果オープンアクセス(OA)方針に関し批判が多く出たため、13年に入って議会の上院・科学技術委員会(House of Lords Science and Technology Committee)や下院BIS委員会(House of Commons Business, Innovation and Skills Committee)が関係者から意見を聞くなど、方針見直し・実施に向けた動きが活発化している。
小欄でも逐次主な動きを紹介しているが、RCUKが科学技術委員会に対し、embargo(学術誌での論文出版からリポジトリでの論文公開までの猶予期間)を緩和(延長)する方向だと報告したとする記事2本を紹介する。
RCUKの現方針では、embargoはSTM分野の論文は6か月、人文社会科学分野は12か月となっているが、実際の運用では、当初5年間はこの期間をそれぞれ12か月、24か月に延長するようだ。方針は2013年4月1日より実施される。
●Nature News Blog 2013/1/30
英国研究会議、OAプッシュを緩める
UK research councils relax open-access push
●Times Higher Education 2013/1/30
研究会議のGreen OA方針は強制されず
Research councils' 'green' open-access policy 'will not be enforced'
また、Stevan Harnad氏が「RCUKとイングランド高等教育基金協議会(HEFCE)のトップが科学技術委員会で行った証言 - 英国は世界でOAを主導している、Green OAはGoldより金がかかるとJohn Houghton氏は結論付けたなど-は誤解も甚だしい」などとと非難し、Wellcome TrustのOA方針が誤解の元となっているなどと指摘した記事"RCUK & HEFCE CEOs Misinterpret Economist John Houghton's Findings on Open Access Cost/Benefits"を紹介する。
[ニュースソース]
上述