Stevan Harnad氏はこのたび、下院ビジネス・イノベーション・技能(BIS)委員会(House of Commons Business, Innovation and Skills Committee)に提示した、英国政府のオープンアクセス(OA)方針に関する意見"Submission to BIS Select Committee Inquiry on Open Access"を公表した。
(Executive Summary概要)
E1. 英国は2004年以降、OAで世界をリードしてきたが、今回のBIS/Finch/RCUKのGold OA方針は、予期せぬマイナスの結果を招く。
E2. 他国は英国に追随しないだろう。Goldは、研究費を浪費するばかりではなく、出版社にハイブリッド採用やGreen OAエンバーゴ延長を認めることとなる。
E3. 著者の最終査読原稿を、即時、エンバーゴなしでデポジットさせ、モニターせよ。
E4. この即時デポジットと研究助成とをリンクさせよ。
E5. 著者に投稿誌(Gold、CC-BYの如何を問わない)の選択権を与えよ。
(編注:E6は原文欠落)
E7. エンバーゴを設けざるを得ないものは、リポジトリにeメールeprintリクエストボタンを設け、ユーザーと著者が個別対応できるようにせよ。OAではないが、準OA(Almost-OA)=オプショナルアクセスとなる。。
E8. 即時デポジット/オプショナルアクセス(Immediate-Deposit/Optional-Access、ID/OA)は、国際的な拡張性がある。
E9. OAはkeystroke(コマンド入力)の問題だ。
E10. 英国でマンデートを入力(実施)すれば、他国も自然に対処する。Gold、Gold基金、CC-BY、著作権、エンバーゴに集中していたら、オンライン時代にあって、研究成果の入手について最も望ましい結果を出すのにもう10年かかる。
E11. テキストマイニング権、リミックス権、再出版権も重要だが、最優先の重要事項は、無償オンラインアクセスだ。
E12. 何が即刻できるのかを見極めよ。コストフリーなGreen OAを失い、金を払ってCC-BYを手に入れることではない。
E13. 英国だけでGold OA方針を実施すれば、「囚人のジレンマ」での選択肢を失う。
[ニュースソース]
Harnad Evidence to BIS Select Committee Inquiry on Open Access – ePrints 2013/2/13
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