"Open Access: Emerald's Green starts to fade? "(参考訳:オープンアクセス – エメラルドグリーンの褪せ始めか?)と題するOPEN AND SHUT?の6月17日付記事を紹介する。
(概要)
英国研究会議(RCUK)が2012年7月に策定した公的助成研究成果のオープンアクセス(OA)方針(小欄記事)は論争の引き金となり、13年2月には上院・科学技術委員会(The House of Lords Science and Technology Committee)がその不明確さを指摘するに至った(小欄記事)。
RCUKはこの指摘を受け、Green OA はGold OAの代替となることを明らかにする一方、embargo(学術誌での論文発表からリポジトリでの論文公開までの猶予期間)を最長12か月から24か月へ延長した。この結果、embargoを設けていない出版社はこれを設け、既に設けていた出版社はそれを延ばすこととなろうという懸念が生じた。
懸念は現実となり、これまでembargoを設けていなかった英国の社会科学系出版社"Emerald"が24か月のembargoを設けた。編集者宛てのOA方針変更通知とウェブサイト上の説明に相違があり、embargoの必要性、相違の理由、同社の判断がOAの発展にどんな前兆的な意味を持つのかなどの疑問をもち、12の質問を投げたが、さえない回答しか得られなかった。
同社のembargoはRCUK方針に反するものではないが、それ無しでは利益が損なわれるという確証が無いにもかかわらずなぜ設けたのか。同社に倣う出版社が続出し、著者のオプション、Green OAがfade(廃れ、色褪せ)はしまいか。
(編注: 筆者Richard Poynder氏とEmerald社間の数回のやり取り内容が紹介されているが、ここでは割愛した)
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Why did RCUK betray us to barrier-based publishers? – SV-POW 2013/6/17