1951年に死去した女性(Henrietta Lacks)の癌組織から、本人や家族の同意なしに取り出され、不死化した細胞株として現在も遺伝子研究に使用されているHeLa細胞のプライバシーとデータへのアクセスについて、米国立衛生研究所(NIH)所長Francis S.Collins氏はこのたび、Lacks家と合意に達したと発表した。
合意では、HeLaゲノムデータの利用は許可制となり、利用申請検討委員会には、将来にわたり同家から2人以上が参加する。また、このデータを使用した研究論文にはLacks家への謝辞を入れることが求められている。この合意内容は、NIHから助成を受けるすべての研究者に適用される。
HeLaゲノムはMs.Lacksから取り出された細胞であることは科学ジャーナルでは知られていたが、BBCのドキュメンタリーや新聞の論説、書籍で発表されたことをきっかけに、Lack家とその子孫は世界中で知られることとなり、データの公開が制限されていた。
[ニュースソース]
・The HeLa Genome:An Agreement on Privacy and Access - NIH 2013/8/7
・NIH, Lacks family reach understanding to share genomic data of HeLa cells - NIH 2013/8/7
[関連ニュース]
・Famous HeLa Cells Get Genetic Close-Up, and New Data-Sharing Rules - Science 2013/8/8
・Deal done over HeLa cell line - Nature 2013/8/7