"Popular plant database set to charge users"と題する8月31日付nature記事を紹介する。
シロイヌナズナのゲノム、遺伝子、分子生物学的データを収集した無料データベース"The Arabidopsis Information Resource"(TAIR)(参考:和文紹介その1、その2)が、企業には10月から、大学の研究者には2014年から、有料化される。
年間160万ドル(1億5千万円強相当)を助成していた米国立科学財団(NSF)が4年前に打ち出した助成段階的縮小方針により、今後助成されなくなることを受けての措置。
TAIRの8月31日付発表はこちら:TAIR will continue with subscription support
なお、公的助成の中止により有料化したDBには、次の例がある。
★Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)- 科学技術振興機構(JST)が支援中止。現在NPO Bioinformatics Japanが運用。大学ユーザのダウンロードに課金。Webポータル上は無料。
★Genevestigator - スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)が開設し、現在、営利企業Nebion社がフリーミアム(freemium:特定サービスは無料、それ以外は有料のビジネスモデル)として提供。
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・2009年11月19日(木曜日) 米国: シロイヌナズナ総合ゲノム情報データベース"TAIR"、助成打ち切りで危急存亡