インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London、ICL)のLucy van Dorp 氏の修士論文"Going for Gold:An Investigation into Financial Models of Open Access Publishing in Biology"(参考訳:Gold化 ―生物学分野のオープンアクセス出版財務モデル調査)(PDF78ページ)を紹介する。
(Conclusionより)
生物/生命科学誌における"Gold"オープンアクセス(OA)の普及の度合いを詳細調査した。論文掲載料(APC)の値、他のビジネスモデルの導入、出版社の支配力を考察した。結果の要点は以下の通り。
★OAの拡大と共に著者支払い(author pays)モデルも拡大している。Directory of Open Access Journals(DOAJ)に収録された生物/生命科学誌のほぼ半数がこのモデルを導入している。
★著者支払いモデルの導入は分野固有であり、生物医学分野では顕著、動物学と植物学では、一誌のみの出版社が多いため、隠微。
★APCの平均値は642ポンド(10万円相当)なるも正規分布に非ず。最多は400ポンド辺り。
★インパクトファクタと引用数は、APCに対してプロットすると、正の相関関係が見られる。
★Biomed Centralが優勢。有力出版社の中でもとりわけAPC、会費、広告費に収入を依存。
★業界では、学術出版の将来はOAなるも100%は無理という見方が一般的。
[ニュースソース]
"Going for Gold:An Investigation into Financial Models of Open Access Publishing in Biology" – DigitalKoans 2013/11/6