公的助成研究成果へのアクセス拡大方法を検討し提言したいわゆるFinchグループは2013年10月、"Accessibility, Sustainability, Excellence: How to Expand Access to Research Publications - A Review of Progress in Implementing the Recommendations of the Finch Report"（PDF75ページ）と題する進捗報告書を発表した。
本書は、同グループが2012年6月に発表した最終報告書（小欄記事）の提言内容の実施・進展状況を顧みたもの。この提言が英国政府や英国研究会議（RCUK）などのオープンアクセス（OA）方針の基礎となったが、下院BIS委員会からGold OAに偏重した政策を見直すよう要求されている（小欄記事こちらとこちら）。
Finchグループの提言内容や政府・RCUKのOA政策に一貫して批判的なStevan Harnad氏（カナダ政府研究教授（認知科学）・ケベック大学モントリオール校、英国サウサンプトン大学ウェブサイエンス教授）(Wikipedia解説）はこの進捗報告を受け、「本書は広範な情報源から得たエビデンスの厳密な分析に基づくというが、当初の報告書の焼き直しに過ぎず、下院BIS委員会の求めた客観的エビデンスとは似ても似つかぬもの」と酷評している。
[ニュースソース]
・Implementing the recommendations of the Finch report - RIN 2013/11/15
・Finch II: "Our Mind's Made Up: Don't Confuse Us With Facts" – Open Access Archivangelism 2013/11/18