IDCC14報告書:「データと論文をつなぐ」

2014年03月11日

ヨーロッパ

2月24日-27日米国サンフランシスコで開催された第9回International Digital Curation Conference(IDCC)でのデータ・パブリケーションに関するパラレルセッション「データと論文をつなぐ」の報告書が、英Digital Curation Centerのblogで公開されている。

このセッションでは、ハーバード大学のEleni Castro氏とカナダ サイモンフレーザー大学(Simon Fraser University)のAlex Garnett氏、および英国科学技術設備会議(Science & Technology Facilities Council 、STFC)のSara Callahan氏による発表が行われた。

Eleni Castro氏とAlex Garnett氏の発表では、大学による無料のオープンソース・ソフトウェアの開発イニシアチブKnowledge Projectのオープンジャーナルシステムを研究データリポジトリData Versaにつなぐ取り組みを紹介し、論文と裏付けとなるデータとをつなぐ統合型インフラの構築は出版社の参加なしにはありえない、システム設計における相互運用性を重視すべきとした。

Sara Callahan氏は、データ・パブリケーションに関する指針作成を目指すPrepardeプロジェクトから得られた、ジャーナルとデータリポジトリとのクロスリンクの事例を発表した。クロスリンクの問題点として、リポジトリと論文との間のリターンリンクには、データジャーナルから送信されるemailの情報をマニュアルで入力しなければならないという点を挙げ、これを解決するため、媒介となるクロスリンク・レジストリの開発を強く示唆した。

[ニュースソース]
IDCC14 Report on Parallel B, session 2:'Linking with articles' - DCC 2014/3/10
[小欄関連記事]
2014年3月10日(月曜日)FORCE11、データ引用指針案の最終版を公開