"Funders drawn to alternative metrics(試訳:助成組織はオルトメトリクス指標に傾倒)"と題するネイチャー誌12月10日付け記事を紹介する。
この記事は、英国の3つの助成組織のオルトメトリクス指標に対する見解を表した、PLoS Biology掲載のエッセー"Alternative Perspectives on Impact:the Potential of ALMs and Altmetrics to Inform Funders about Research Impact(試訳:オルトメトリク指標の展望:助成機関が研究インパクトを評価する情報としてのオルトメトリクス指標の可能性)"を中心に、助成組織、研究者の同指標へのさまざまな見方を綴ったもの。なお、同エッセーは、英ウェルカム財団のDinsmore氏、Allen氏、およびDolby氏による共著。
記事より抜粋:
研究助成の意思決定に、オルトメトリクス指標を活用する機会が増えている。引用に比べ、アカデミアだけでなく、アカデミア以外の関係者に対して研究の(再)利活用に関する情報を提供してくれる。また、論文の引用回数がシニア研究者に比べ少ない若手研究者にとっては支援となる。(上記エッセーより)
しかし、単に回数だけではなく、研究インパクトの代わりとしてのオルトメトリクス指標の意味と有効性をより深く掘り下げて検討すべきである。(共著者の1人Dinsomore氏)
オルトメトリクス指標は完全な指標ではない。奇想天外な発想の論文がソーシャルメディアでの注目率が高い場合もある。しかし、総じて、最も良い研究が注目され、指標にも反映される。また、ブログやツイートにより、スコアを合理的範囲で上げることができ、大学の出版部もこの方法を活用することを推奨する。(スペイン レイ・ファン・カルロス大学、King Juan Carlos University、URJC 生態学者Maestre氏.。オルトメトリクス指標を活用して助成金授与に成功した事例を持つ)
オルトメトリクス指標は役に立つが、研究者や助成組織は回数に囚われることなく、回数の背後にある情報にこそ着目すべきである。(カナダ カルガリー大学 寄生虫学者Gilleard氏)
[ニュースソース]
Funders drawn to alternative metrics -ネイチャー 2014/12/10