研究データ管理と図書館 (論文紹介)

2014年12月26日

ヨーロッパ

"Research Data Management and Libraries:relationships, Activities, Drivers and Influences"
(参考訳: 「研究データ管理と図書館: 関係性、活動、推進力、影響力」)と題するPLOS ONEの論文を紹介する。


抄録の抜粋:

 膨大な量のデジタルデータがさまざまなフォーマットで急速に生み出されており、研究機関にとって研究データの管理は大きな課題となっている。本論文では学術図書館の研究データ管理(Research Data Management:RDM)に対する寄与について、幅広く制度的背景から分析しており、特にRDMに関わる役割や関係性に対する調査、RDMプログラムの主な構成要素の特定、RDM活動の推進力の評価などが実施されている。
 本研究は図書館の専門家の視点で実施されており、英国のさまざまな機関の26人の図書館スタッフを対象にしたインタビューにより得られたデータを分析している。この定性的な分析で既存の定量的でケーススタディ的な手法を補完している。
 分析の結果、RDMにおいて図書館員は重要な役割を担っているにも関わらず、ITサービスや研究支援事務局など他のステークホルダーとの関係性において、不確実性とばらつきが存在することが示された。