HHS、パブリックアクセス強化のための包括的指針を公表

2015年03月12日

北米・中南米

米厚生省(Department of Health and Human Services、HHS)は2月27日、OSTP OA指令への対応として、パブリックアクセス強化のための包括的指針を公表した。2015年末までに施行する予定である。

この指針は、HHS傘下の5機関:米国国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)、米国疾病管理・予防センター(CDC)、米国食品医療局(FDA)、米医療研究・品質調査機構(Agency for Healthcare Research and Quality, AHRQ)、の個々のパブリックアクセス計画の基本となるもので、継続的で、助成を受ける研究者の複雑なコンプライアンスに対する負担を軽減するために作成された。

論文については、NIH Manuscript Submission Systemを使用し、査読論文の12ヶ月以内のPubMed Centralへの保管を義務付ける。公益性が高く、迅速な情報伝達の必要性を想定し、エンバーゴ短縮の申立てができる仕組みとなっている。著作権と使用許諾については現行のPubMed Centralの条件に沿い、著作者がその権利について直接出版社と交渉するとしている。

NIHのパブリックアクセス計画の中で、「45CFR74.36に明記される、政府が有する使用許諾権の行使の可能性を調査している。この条件では、政府および権限を与えられたその他のものは助成研究成果の再生(reproduce)、公開(publish)、利用(use)について、著作権使用料が無料の、包括的、取消不能の権利を有する」との記述がある。

個々のパブリックアクセス計画へはこちらから。

研究データについては、戦略課題として以下を挙げている。

l  パブリックアクセス方針に対する5機関保有データの評価

l  5機関共通のメタデータ要素、HHS保有データの内部カタログ “Enterprise Data Inventory”の開発、外部へのアクセス拠点としてhealth.govポータルの活用

l  研究コミュニティにおけるデータ管理計画とデータ共有に関する要求事項の徹底

l  データアーカイブ、データ共有のためのツール、データの帰属性などの課題解決のための試験的取組み

l  データ管理、分析、保管、保存、データスチュワードシップに関するトレーニングと人材育成の支援

[ニュースソース]

HHS Expands Its Approach to Making Research Results Freely Available For the Public - HHS 2015/2/27

[関連記事]

HHS Releases Comprehensive Plans to Provide Public Access to Research - SPARC 2015/3/2

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