研究データ共有に関する実証調査(調査報告書)

2015年03月13日

ヨーロッパ

arXiv.orgに掲載された、研究データ共有に関する実証調査“A Reputation Economy:results from an Empirical Survey on Academic Data Sharing(pdf:26ページ)“を紹介する。

抄録より抜粋

分野を問わず2,661人の研究者に対し、研究データの取り扱い、論文の出版、データ共有の(あるいは共有しない)動機について調査を実施した。1,564人から回答が得られ、どの分野の研究者も、二次的研究データは自身の研究と科学の進歩に有益であると認識しつつも、実施の態度は控えめなものであることが分かった。この結果は、データ共有を動機付けるものは金銭的インセンティブや科学の進歩ではなく、有名な雑誌で論文を出版し、個人的評価を得ることで働く学術システム、つまり”Reputation Economy(試訳:評判による経済)”により説明できる。データ共有は、データ引用など、評価という形で報われる場合にのみ、研究コミュニティで広く受け入れられるとの結論に至った。