NSF、研究成果に対する包括的パブリックアクセス計画を公表

2015年03月24日

北米・中南米

米国立科学財団(National Science Foundation, NSF)は3月18日、OSTP OA指令への対応として、”Today's Data, Tomorrow's Discoveriespdf:35ページ)”と題する包括的パブリックアクセス計画を公表した。この計画書は、データ管理計画(DMP)、データ引用指針、報告の要件、データ保管とキュレーションの整備等、現行のNSFの方針と手続きに沿ったものとなっている。以下、エクゼクティブサマリー(pdf:2ページ)よりその概要を抜粋する。

l  データ管理計画:助成申請時に2ページのDMPを含める。DMPを含まない申請書は審査をせず差し戻す。

l  データ引用:申請書の“Biographical Sketch”に関連するデータセットに対するデータの作成者あるいは著者と永久識別子等情報を含む引用を含めることができる。データ引用については現在活発に議論されている事項であることから、関係する研究コミュニティと継続的に協議し、ベストプラクティス指針を策定し、分野を基本とした新しいアイデアを取り込む。

l  論文:論文および審査を経た会議論文の最終の受理原稿あるいは正式版(version of record)を、公開から12ヶ月以内に指定リポジトリに保管し、メタデータを無料で利用できるようにしなければならない。白書、技術報告書、教材(instructional material)、なども今後対象とする予定。

l  費用:論文の出版費用と研究成果共有にかかる費用を直接費として申請予算書に含めることができる

論文の保存、パブリックアクセスには、米国エネルギー省(Department of Energy, DOE)傘下の米国科学技術情報局 (Office of Scientific & Technical Information、OSTI)の協力により、DOEの“PAGES”の仕組みを使用し、助成論文のリポジトリを作成する。PAGES同様に、抄録、著者、雑誌名、全文へのリンク等を公開し、“ダーク・アーカイブ”を持つが、全文のアーカイブは行わないものと思われる。論文の受付けは2015年末を予定し、2016年1月より施行する。

助成研究データの管理は助成申請者にとって大きな課題であると認識しており、研究コミュニティ、出版社、スチュワードシップ機関、他の政府機関とさらに協議を重ね、パブリックアクセスを推進する研究コミュニティに適したベストプラクティスの採用を促進するとしている。

[ニュースソース]

National Science Foundation announces plan for comprehensive public access to research results - NSF 2015/3/18

[関連記事]

NSF unveils plan to make scientific papers free - Science 2015/3/18