日本のOA動向(インタビュー記事紹介)

2015年03月27日

日本

BioMed Central blog3月20日付け記事“Openaccess in Japan – an inside perspective”を紹介する。この記事は、日本のオープンアクセスの状況に関し、日本動物学会Nagai氏へのインタビューをまとめたもの。

記事より抜粋:

Q:日本のオープンアクセス(OA)の現状は?OAは義務化されているのか?

A:個人的見解として述べると、多くの日本のOA誌は科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルの公開システムJ-Stageでホストされており、デジタル論文の多くはオンラインから無料でアクセスすることができる。

Q:日本の研究者はOAジャーナルをどのように感じているか?より魅力的なものとするため必要なことは何か?

A:研究者はOAが何であるかを理解しており、PlosOneのようなジャーナルで論文出版したいと考えている。しかし義務化という後押しがなく、日本のOA出版はまだ発展途上である。OAは標準となりつつあるが、論文を出版する際、研究者はまずインパクトとリーチを考え、OAは付加的ボーナスでしかない。また論文掲載料(APC)の価格との兼ね合いも考えなければならない。

Q:今後、日本でのOAはどのように進展すると思うか?

A:政府の方針しだいではないか。強い方針であればそれに従うだろう。日本癌学会(Cancer Scienceは購読料ベースから掲載料ベースに移行しようとしており、このようなすでに確立した医療系ジャーナルの動向が全体に影響するだろう。またOAジャーナルのビジネスモデルの導入・採用にファンドを割り当てる日本学術振興会(JSPS)の財政支援にも注目したい。