米厚生省の取り組み:保健データの開放

2015年06月19日

北米・中南米

5月31日-6月3日米国ワシントンDCで開催されたHealth Dataploozaにおいて、米厚生省(Department of Health and Human Services、HHS)は、「研究者、政策立案者、イノベーター、そして多様な機関や人々への保健データの開放」というミッションに基づく同省の取り組みを発表した。同イベントは人々の健康を改善するため、オープンデータを推進することを目的に、年1回米国で開催されるイベント。

HHS保健データイニシアチブ担当ディレクターDamon Davis氏から、同省が運営する保健、社会サービス、および研究データカタログHealthData.govHHS.govのリニューアルに伴い、検索・ソートツールの機能向上、携帯電話対応のデザインへの変更、多様な機種やネットワーク上でのアクセスの改善を図ったこと、またHHS IDEA Labに寄せられたアイデアをもとに開発されたDemand-Driven Open Data(DDOD)フレームワークについて報告が行われた。DDODは外部組織が必要なデータとその使い方をHHSに通知する際に使用される。

また米国国立衛生研究所 (National Institutes of Health, NIH)データ・サイエンス担当アソシエイト・ディレクターPhil Bourne氏からは、コミュニティーとのオープンデータネットワークを拡大し、27センター間でのデータ接続・移行の改善を図るため、仮想共有スペース“Commons”を構築し、一定のオープンデータルール下で、パブリック、プライベートクラウドなど異なるプラットフォーム上で、Commonsにある全てのリソースの活用を促すための開発を行っていることが報告された。現在、コンテンツの索引、カタログの作成ツールのプロトタイプを開発している。

さらに、データの有用性を評価するデータレベル指標の開発に取り組んでいる。データの引用、リコメンデーション、インパクトの状況を追跡することにより、研究データのアクティビティを捕らえるのに必要な指標をテストする。そのデータセットでどのようなことが行われたか、誰がそのデータセットに言及したか、誰が、どのような用途でそのデータを使用したかを追跡できるようにし、研究者のデータ共有を推進する。

[ニュースソース]

HHS on a mission to liberate health data - GCN 2015/6/5