助成機関は研究者のデータ共有を促進すべき(調査報告書)

2015年06月22日

ヨーロッパ

専門家によるデータアクセス諮問委員会(Expert Advisory Group on Data Access, EAGDA) は、ヒト遺伝子研究とコホート研究におけるデータアクセスに伴う科学、法律、倫理上の課題に対して助成機関に戦略的助言を与えるため、2012年、英ウェルカム財団Cancer Research UK、経済社会研究会議(Economic and Social Research Council, ERSC)、 Medical Research Councilによって設立された。

同委員会はこのたび、遺伝子、疫学、経時的研究の見本となるべきデータアクセスの仕組みに関する報告書“Governance of Data Access“(PDF:17ページ)を公表した。本報告書は特に、研究データへのアクセス管理に関し、同委員会に参加する助成機関のデータアクセス委員会(Data  Access Committees, DAC)の組織のあり方と機能を注視している。

本報告書では、助成申請過程において明確なデータ共有および管理計画を要求すること、データ形式とメタデータ基準の開発と普及、研究間の相互運用性の促進、データセットの発見とアクセス性の確保を支援すること、データの二次利用者に対するデータアクセスプロセスの透明化、データアクセスのガバナンス手順を構築することなど、助成機関に対し11の提言を行っている。

同委員会の公表した報告書として、2015年5月公表の「データ共有の動機付けに関する報告書(pdf:30ページ)」、2015年2月公表の「保健・生物医学データの使用により生じる個人情報保護のリスクに関する報告書(pdf:210ページ)」、2013年10月公表の「個人情報の再特定化に関する声明(pdf:3ページ)」がある。

[ニュースソース]

Expert Advisory Group on Data Access - Wellcome Trust 2015/6

[関連記事]

Funders must encourage scientists to share - ネイチャー 2015/6/10