インパクトファクターを活用する上での問題(記事紹介)

2015年06月29日

ヨーロッパ

欧州分子生物学機構(EMBO)の公式誌The EMBO JounralのチーフエディターによるEditorial「Dora the Brave」を紹介する。なお、同記事はワイリー・サイエンスカフェの6月15日付け記事「<記事紹介> 濫用されるインパクトファクター / The EMBO Jounral チーフエディターから見た問題点」でも紹介されている。

同Editorialでは、ジャーナルインパクトファクター(JIF)の影響と、活用上の問題点を指摘している。具体的には、The EMBO Journalを例に用い、レビュー論文と原著論文とを区別せずに算出しているため、被引用回数にはレビュー論文への大きな偏りがあることを示している。また、オルトメトリクス指標については迅速な評価を提供する一方、定量的方法としてJIFに代わるものではないと述べている。

そして、著者も関わった「サンフランシスコ研究評価宣言」(San Francisco Declaration on Research Assessment、DORA)について言及し、多くの研究評価方式においてレビュー論文と原著論文を区別するようになったことなど、宣言後の2年間でいくつかの改善がなされたこと、科学研究成果の評価方法の改善のため、ジャーナル、研究者、研究機関、特に助成機関がJIF後の研究評価に向けて協調する必要があることを述べている。