DOAJに登録された雑誌のインパクトファクターと論文掲載料(APC)との関連性を調べた記事“DOAJ, Impact Factor and APCs”を紹介する。この記事は、open access article processing charges projectとして、APC価格と雑誌のインパクトファクターの関連性を、2010年、2013年、2014年のデータを用いて試験的に調査した結果である。
以下に、調査の初期結果を引用する。
・Journal Citation Reports(JCR)に掲載された雑誌の約10%は、DOAJ登録雑誌(以下、DOAJ誌)である
・DOAJ誌の10%超はインパクトファクターをもつ(以下、DOAJ IF誌)
・DOAJ IF誌の約40%は、2015年5月現在APCを持つ(推定;APCを持つ雑誌全体よりも価格が高い)
・2014年のDOAJ IF誌の平均APCは、全体の平均APCの2倍を超える(1,948ドル(24万円相当)、全体平均は964ドル(12万円相当))
・DOAJ IF誌の平均APCは2013-2014年の5か月で7%増加、2010-2014年で16%増加
・DOAJ IF誌のAPCの80%超は、2013年12月から2014年5月までの5か月間に6%以上増加
・DOAJ IF誌のAPCの約20%は、2013年12月から2014年5月までの5か月間に10%以上増加
・DOAJ IF誌のAPCの7%は、2013年12月から2014年5月までの5か月間に20%以上の増加
結論として、DOAJに登録される雑誌の10%はインパクトファクターを持ち、インパクトファクターを持つ雑誌の約10%はDOAJ雑誌である。APCビジネスモデルを用いるOA誌(あるいはいくつかのOA誌)は、価格を上げるための手段としてインパクトファクターを利用している。