OAの学術・経済・社会的影響(論評紹介)

2016年04月20日

ヨーロッパ

F1000Research4月11日掲載の論評"The academic, economic and societal impacts of Open Access:An evidence-based review"(試訳:オープンアクセスの学術・経済・社会的影響:根拠に基づく考察)を紹介する。本稿は、オープンアクセスの歴史的背景、学術・経済・社会的影響を考察し、今後の研究課題としてオープンアクセスからオープンリサーチシステムへの転換を提案する。

抄録より抜粋

オープンアクセス(OA)は政策決定者、出版者、研究助成機関、政府、学会、図書館、学術コミュニティーといったすべての関係者を巻き込む世界的課題であるが、各段階におけるOAのメリット・デメリットについて一般的なコンセンサスは得られていない。本稿は、学術・経済・社会的影響を総合的に検討し、併せて引用についての研究者のメリットも考察する。

~中略~

OAは学術出版システムが現在直面する多数の課題の一つにすぎない。しかし出版の倫理的基準規範への研究者の関与を促す基本となっている。今後、オープンリサーチシステムへのエコシステム全体の転換の広範な影響を研究課題とすべきである。