Dryadデジタルリポジトリにおけるデータ引用方法の変化(論文紹介)

2016年11月15日

北米・中南米

International Journal of Digital Curation Vol 11掲載の"The location of the citation:changing practices in how publications cite original data in the Dryad Digital Repository"(試訳:引用の位置: Dryadデジタルリポジトリにおけるデータの引用方法の推移)(pdf:6ページ)を紹介する。

抄録

学術コミュニケーションの関係者は概してデータ引用の重要性に合意しているが、論文のどの部分に引用を配置すべきか、特に論文がオリジナルデータを引用する場合の合意がない。CrossRefやデジタルキュレーションセンター(DCC)は、引用・参考文献リストでのオリジナルデータの引用をベストプラクティスとして推奨してきた。生物化学のような分野では、引用・参考文献リストでの引用とは対照的に、論文の本文(テキスト中に)の中でデータ識別子のみを列挙することを慣習としてきた。CrossRefやDCCの指針を踏まえ、データ引用の方法が変化しつつあるかどうかを調査した。データ引用の実際を、Dryadデジタルリポジトリ収録のオリジナルデータに関連する1,125本の論文を対象に、2011年から2014年のデータ引用の実際を調べた。オリジナルデータへの参照のない論文は2011年の31%から2014年の15%へと、年々減少していた。データ識別子を含む論文の比率は69%から83%、引用・参考文献リストでのデータ引用は5%から8%へと伸びている。年率19~20%で伸びるとすると、データ引用を引用・参考文献リストに記述する論文の比率が2030年までに90%を超えることはない。