UKデータサービス、オープンリサーチに対する研究者の態度や行動に関する調査報告書を公開

2016年11月09日

ヨーロッパ

UKデータサービスは11月1日、オープンリサーチに対する研究者の態度や行動に関する調査報告書"Towards Open Research:practices, experiences, barriers and opportunities"(オープンリサーチに向けて:実践、経験、障害、および機会)(pdf:66ページ)を公開した。

本報告書はウェルカム財団より委託を受け、UKデータサービスとロンドン大学衛生熱帯医学大学院が行った調査である。オープンサイエンスの実践における障壁を取り除き、機会を最大限とすべく、ウェルカム財団が行うべき実践的活動を把握するため、研究データ、コード、オープンアクセス論文の共有と再利用を考察した。

オープンリサーチは実践されつつあり、研究者の多くにとって利益が障害を上回るという結果が示された。データ共有から得られる利益として共同研究の機会や引用の増加を挙げている。データ共有により論文の誤使用や喪失の恐れがあるとしつつも、実際にこのような経験をした研究者はほとんどいなかった。しかしながら研究者は再利用のためにデータを準備することは時間と費用が掛かると指摘している。

またウェルカム財団と経済社会研究会議(ESRC)より助成を受ける研究者への調査も並行して行われたため、ESRCのデータ共有方針の義務化とデータ基盤支援の影響を見ることもできた。ESRCより助成を受ける研究者はデータの利活用を行う傾向にあり、データ共有のスキルの不足に見舞われるということもない。ウェルカム財団の研究者にとっては適切なデータリポジトリがないことが大きな障害となっている。

[ニュースソース]

Towards Open Research - a new report from the UK Data Service - UK データサービス 2016/11/1