トラッカーは未報告の臨床試験を警告する(記事紹介)

2016年11月24日

ヨーロッパ

​ネイチャー誌11月3日付け記事"Tracker flags up failures to report clinical trials"(試訳:トラッカーは未報告の臨床試験を警告する)では、11月3日にF1000Researchで公開された論文"The Trials Tracker:Automated ongoing monitoring of failure to share clinical trial results by all major companies and research institutions"(試訳:試験トラッカー:臨床試験結果を公開していない主要企業や研究機関を自動モニタリング)を紹介している。

論文の著者であるGoldacre氏と共著者のAnna Powell-Smith氏は米保健福祉省(US Department of Health and Human Service)の臨床試験データベースClinicalTrials.govに登録されている臨床試験の結果がClinicalTrials.govやPubMedに収録されているかを自動で照合するツールを開発した。

米保健福祉省(US Department of Health and Human Services)は9月に、助成研究の臨床試験の設計と結果の公開について、強化を図る規則(小欄記事)を9月に公開しているが、評価した2万6,000件の臨床試験のうち、45.2%はその結果を公開していなかった。この結果は過去にマニュアルで行った調査から得られる未公開率25~50%とほぼ同じである。定期的にチェックすることで、治験を行う企業や研究機関のデータ共有の動機付けとなることが期待される。

機関ごとのデータ公開の有無はこちらから閲覧できる。

[ニュースソース]

Tracker flags up failures to report clinical trials - ネイチャー 2016/11/3