Twitterは生態学研究の被引用率を予測(論文紹介)

2016年11月28日

北米・中南米

11月11日付け でPLoS Oneに掲載された"Twitter Predicts Citation Rates of Ecological Research"(試訳:Twitterは生態学研究の被引用率を予測)(pdf:11ページ)を紹介する。

抄録

研究インパクトの従来的指標(例えば被引用数)とTwitterのような代替的指標(オルトメトリクス指標)との関係は大変関心を呼んでいるが、その定量化はいまだ曖昧である。我々は一般化線形混合モデリングを使用して、生態学ジャーナル20誌で2012~2014年に公開された1,599本の主要な研究論文のWeb of Science被引用率について、Twitter、ジャーナルインパクトファクター、および出版からの時間の相対的効果を見積もった。Twitter(つまり論文についてのツイート数)と被引用数とは強い正の関係にあった。Twitterは5年間のジャーナルインパクトファクターよりも、被引用率の重要な予知因子であった。さらにTwitterはジャーナルインパクトファクターに左右されず、「インパクトが最も高い」ジャーナルが必ずしもオンラインで最も多く議論されているとは限らなかった。Twitterの効果は、出版からの時間(による効果)の5分の1に過ぎなかった;このような交錯した要因を説明することは、Twitter利用の真の効果を見積もるのに極めて重要である。インパクトのあるジャーナルに掲載された論文は非常に多く引用される可能性があるが、インパクトファクターの低いジャーナルの論文であっても、Twitterでの言及を相当程度生じさせ、また多く引用される可能性がある。著者はソーシャルメディアでの強いプレゼンスの確立から恩恵を受けることができるが、ソーシャルメディアでの推進活動だけでは多くの引用を得ることは期待できない。我々の研究から、オルトメトリクス指標と従来指標は密接に関係することが示されたが、それらは同一ではない。オルトメトリクス指標も従来の被引用率も研究インパクトの有用な指標となりうると考えられる。​