米高等教育機関研究への政府支出は4年連続で減少

2016年11月30日

北米・中南米

米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics, NCSES)が11月17日に公開した報告書(pdf:6ページ)によると、米国の高等教育機関の研究への政府支出は4年連続で減少している。

高等教育機関のR&D総支出における政府支出額は2011年度の62.5%を最高に、2015年度は55.2%に減少した。2015年度のR&D支出額は688億ドル(7兆6千億円相当)、うち政府助成は379億ドル(4兆1千億円相当)であった。

政府支出は全体で減少しているものの、米国防総省(DOD)、米国航空宇宙局(NASA)、米国農務省(USDA)3省の支出額は増加している。それ以外の主な政府機関の支出額はすべて減少し、米国保険福祉省(HHS)は2011年度の230億ドル(2兆5千億円相当)から2015年度は200億ドル(2兆2千億円相当)に減少した。

他方、政府以外では増加しており、大学自身による支出額は5.9%、企業7.5%、非営利組織6.9%、その他6.4%と増加している。政府支出は減少しているものの、大学の総支出額自体は前年比2.2%増加した。

医学213億ドル(2兆3,000億円相当)、生物学117億ドル(1兆2,000億円相当)、工学111億ドル(1兆2,000億円相当)で、高等教育機関の総R&D費の64.3%を占める。医学の年度ごとの増加率は中程度で、生物学と工学は基本的に安定的である。

大気科学は14.7%増(5億7,600万円、636億円相当)、天文学は18.7%増(6億7,300万円、743億円相当)、航空・宇宙工学は11.9%増(7億3,400万円、811億円相当)であった。

[ニュースソース]

Universities report four years of declining federal funding - NSF 2016/11/17​