SNSF、OAへの実用的移行シナリオを公開(調査報告書)

2016年11月30日

ヨーロッパ

​スイス国立科学財団(SNSF)は11月18日、助成研究論文のオープンアクセス(OA)の資金の流れを試算した調査報告書"Financial Flows in Swiss Publishing"(pdf:116ページ)を公開した。本調査はスイスの大学が運営する科学情報プログラム(SUC P-2)と共同で実施し、科学論文システムのオープンアクセス(OA)への移行を再構築するシナリオを提示する。

報告書は、あらゆるシナリオに基づき、エンバーゴ後の機関リポジトリでのOA"ブルー・ロード"と論文掲載料を伴う即座のOA"ゴールド・ロード"のコストを現在の価格で試算し、スイスのOAの仕組みがどうあるべきかを考察した。その結果、"ブルー・ロード"では年間200万スイスフラン(2億2千万円相当)の削減につながるが、 "ゴールド・ロード"ではさらに2,700万スイスフラン(30億円相当)の追加費用が発生すると試算された。

報告書は、"ブルー・ロード"と "ゴールド・ロード"との組み合わせによる方法を提案している。この方法によると、追加費用は年間1,300万スイスフラン(14億円相当)と試算される。スイスで年間出版される論文数は30,000件、うち30%がOAである。

[ニュースソース]

Transitioning the publication system towards Open Access: Study proposes pragmatic scenario - SNSF  2016/11/18