ネイチャー誌11月29日付け記事"Science Europe lobby group hit by sudden exodus"(試訳:Science Europe、多数のメンバー脱退に痛手)によると、欧州27か国、約50の研究機関・助成機関からなる、ベルギーを拠点とする権利擁護団体Science Europeからのメンバー脱退が相次いでいる。
ネイチャー社が報じるところによると、欧州最大の基礎研究機関であるフランス国立科学研究センター(CNRS)は脱退の準備を進めている。18の国立研究センターを運営するドイツヘルムホルツ協会とフランスの農業研究機関(INRA)は2015年にすでに脱退している。
EuroScience事務局長Peter Tindemans氏は、CNRSの脱退は大きな痛手である、またScience Europeは助成機関や研究を主とする機関など、メンバー間で異なる優先順位のバランスを取ることに悪戦苦闘していると述べている。CNRSのほか、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)の脱退も決定しているが、フランス国立保健医学研究機構(INSERM)とフランス開発研究所(IRD)の脱退はまだ確認されていない。
脱退理由はさまざまである。「Science Europeでは研究組織が声を挙げることが非常に難しかった。影響力を持つためにはさまざまな作業部会に深く関与しなければならないが、われわれにはそのキャパシティがなかった(INRA)」。「会員費が倍となったが、それに見合った利益がない(ヘルムホルツ協会)」。
これら脱退組織に関連する他組織への影響も考えられる。
[ニュースソース]
Science Europe lobby group hit by sudden exodus - ネイチャー 216/11/29
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