ドイツ、ペルー、台湾の研究者、エルゼビア社ジャーナルへのアクセスを失う(記事紹介)

2016年12月28日

ヨーロッパ

ネイチャー誌12月13日付け記事"Scientists in Germany, Peru and Taiwan to lose access to Elsevier journals"(試訳:ドイツ、ペルー、台湾の研究者、エルゼビア社ジャーナルへのアクセスを失う)によると、ドイツと台湾ではエルゼビア社との2017年の契約交渉が決裂、ペルーではライセンスに対する予算削減から、数千もの研究者がエルゼビア社のジャーナルへのオンラインアクセスを失うことになると報じている。

ドイツでは12月にドイツ大学学長会議(German Rectors' Conference, HRK)DEALプロジェクトのエルゼビア社との交渉が決裂し、60以上の研究機関のエルゼビア社とのライセンス契約が2016年末に期限切れとなる。フィンランドのコンソーシアムでも、エルゼビア社を含む主要出版社との条件に合意しないながらも、契約を1年間延長し、交渉を続けるとしている。

台湾では上位11機関を含む75%の大学がエルゼビア社に対するボイコット運動に参加。12月7日には、140以上の機関を代表するCONCERTは費用が高いことを理由に、契約の更新を行わないことを発表した。エルゼビア社は個々の大学との交渉に転じたが、国立台湾科技大学(National Taiwan University of Science and Technology, NTUST)は2017年1月以降もボイコット運動を支持するとしている。

ペルーの研究者は、2017年からScience DirectとScopusへのオンラインアクセスを失う。国立科学技術委員会(National Council for Science, Technology and Technological Innovation, CONCYTEC)は12月14日、エルゼビア社製品に関するペルー政府からの資金援助が得られなくなったと発表した。理由は明確にしていないが、 財政上の理由ではないかとされている。

[ニュースソース]

Scientists in Germany, Peru and Taiwan to lose access to Elsevier journals - ネイチャー2016/12/23

[関連記事]

Thousands of German researchers set to lose access to Elsevier journals - Science 2016/12/22

Taiwan Tech to Discontinue Subscription to Elsevier ScienceDirect Starting 2017​ - ​Taiwan Library Tech 2016/12/9
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[小欄関連記事]

2016/12/20 ドイツ科学機構連合とエルゼビア社の交渉が決裂