DOAJ収録ジャーナルの編集の質の改善に関するデータ分析(記事紹介)

2017年01月18日

ヨーロッパ

JLIS.it (Italian Journal of Library, Archives and Information Science Vol. 8, No. 1 (2017))掲載の、オンラインのオープンアクセス(OA)誌をカテゴリー別にまとめたサイトDirectory of Open Access Journals (DOAJ)に関する記事"Improvement of editorial quality of journals indexed in DOAJ:A data analysis"(試訳:DOAJ収録ジャーナルの編集の質の改善に関するデータ分析)(pdf:21ページ)を紹介する。以下、抄録より抜粋する。

2013年DOAJは収録ジャーナルの選択基準を拡大し、1万誌をカバーするまでに成長した。しかし、2016年5月に掲載基準をより厳格にし、この基準に基づき全体の4分の1に相当する約3,300誌をリストから削除した(小欄記事)。記事では、DOAJが登録を開始した2003年から2016年5月15日までに登録された1万2,595誌について調査し、新審査基準導入の結果と、新基準導入によりディレクトリの質と情報の信頼性が改善されたかを考察した。

  • 当該期間にDOAJから削除されたジャーナルは3,776誌であった
  • その多く(2,851誌)は期限までに再登録しなかったため削除された
  • 490誌は出版を中止した、あるいは停止していた
  • 375誌は倫理上の理由により削除された
  • 53誌はオープンアクセス(OA)ではない、あるいはコンテンツが制限されていた
  • 7誌はその他の理由で削除された

国別の削除率では、日本(74%)、パキスタン(60%)、カナダ(51%)、米国(50%)、メキシコ(49%)の順に多かった。

 

削除された158誌はBeallリスト(Beall氏による搾取を目的としているジャーナルリスト, 参考)に含まれ、1,130誌はScopusおよび/あるいはJCRに収録されている。分析からは、新審査基準導入とスクリーニングプロセスの改善により、DOAJ収録論文の質的改善が顕著であることが示された。