Beall氏の「金儲け」出版社リストが削除される

2017年01月19日

北米・中南米

Science誌によると、Jeffrey Beall氏(コロラド大学デンバー校図書館員)がWeb上で公開していた"Predatory Open-Access Publishers"(ハゲタカOA出版社:同氏による定義では、私利私欲のためにGoldオープンアクセスモデルを食い物にする出版社)のリストが同氏のブログScholarly Open Accessから突然消えた。このブログはBeall氏が2010年に開設し、学術出版、図書館関係者の間で注目を集めていた。(参考

リストの削除理由についてBeall氏のコメントはなく、コロラド大学デンバー校広報担当者によると、本件は「個人的な決定」であり、ハッキングや法的措置に対する恐れによるものではないとしている。またBeall氏は引き続き同大学に在籍しており、ブログの再開があるかは確認できないとしている。

リストのCabell's international社への移転計画に関係しているのではないかという憶測もあるが、同社は否定している。しかしながらBeall氏の助言の下、Cabell社は2015年からブラックリストを作成しており、2017年後半に導入する計画であるとしている。Beall氏が「脅迫と政治」によってブログを閉じざるをえなかったとするLacey Earie氏(同社ビジネス開発部門副社長)のツイートもある。

1月初旬のリストでは、疑わしい出版社1,155社、怪しいジャーナル1,294誌と増加していた。また同氏が公表している他の2つのリスト"misleading metrics companies(試訳:疑わしい指標を提供する企業)" と"hijacked journals(試訳:ハイジャックされたジャーナル)」 も今は閲覧できない状態にある。

[ニュースソース]

Mystery as controversial list of predatory publishers disappears - Science 2017/1/17

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