ゲイツ財団、1月からOA方針を施行(記事紹介)

2017年01月23日

北米・中南米

ビル&メリンダ・ゲイツ財団のオープンアクセス(OA)方針が1月より施行された。ネイチャー誌は1月13日付け記事"Gates Foundation research can't be published in top journals"(試訳:ゲイツ財団助成研究はトップジャーナルでの出版不可)で、同財団のOA方針に沿わないため、ネイチャー、サイエンス、New England Journal of Medicine (NEJM)、米国科学アカデミー紀要(PNAS)などでのジャーナルでの論文の出版ができないと報じている。

ゲイツ財団のOA方針は、無料の再利用、配布の使用許諾を付与して論文を公開するほか、その根拠となるデータにも無料アクセスを義務付け、エンバーゴを認めず即座の公開を求めている(小欄記事)。

財団は出版社と議論を重ねている段階ではあるが、例外を設けることはないとしている。財団によると、助成論文数は年間2,000~2,500本で、92%は財団のOA方針に対応している。影響は数百件のみであるとしている。

米国立衛生研究所 (National Institutes of Health, NIH)が2008年にOA方針を施行した際には、OA方針に同意するか、NIHが助成する質の高い多くの研究の論文を拒絶するかの選択を出版社に迫ったという経緯がある。ゲイツ財団も同様に妥協しないのではないかとの見方が優勢である。

6か月間のエンバーゴを認めている英ウェルカム財団にOA方針を変更するかをたずねたところ、「進捗をしっかりと注視していく」と回答している。

[ニュースソース]

Gates Foundation research can't be published in top journals - ネイチャー 2017/1/13

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