中南米のOA出版モデル(記事紹介)

2017年01月25日

ヨーロッパ

オンラインのオープンアクセス(OA)誌をカテゴリー別にまとめたサイトDirectory of Open Access Journals (DOAJ)は1月17日付けで、中南米のオープンアクセス(OA)出版モデルについての記事"Challenges of the Latin American open access publishing model"(試訳:中南米のOA出版モデルの課題)を掲載している。以下、記事より抜粋する。

  • DOAJの中南米のジャーナル収録数は916誌。
  • ジャーナル評価方針がうまく構築されており、主に2つに分けられる。1)国の評価システム(アルゼンチン、コロンビア、メキシコなど):ジャーナルへの資金配分など評価目的によって複雑さと実施レベルが異なる。2)Latindex, SciELO and Redalycなど、地域型の科学情報システム:近年中南米のジャーナルの質の向上に貢献している。
  • 論文掲載料(APC)は国あるいは機関から支出されるため、APCを伴わない非商業モデル。APCを伴うジャーナルは8%のみで、4ドル(455円相当)から1,400ドル(16万円相当)。62.6%は協会や学会により管理されている。大学や研究センターのジャーナルはAPCを課さないが、政府が支出するジャーナルのいくつかはDOIの付与などのサービスに最小限の費用を課すものもある。
  • コンテンツの利用、再利用、adapt、リミックスの許諾についてはいくつかの課題がある。コンテンツの配布に関して89%にクリエイティブコモンズが付与されているが、うちCC-BY(表示)の適用は49.1%のみで、45.8%は非商業的利用となっている。CC-BY-NC(表示-非営利):23.9%、CC-BY-NC-ND(表示-非営利-改変禁止):14.9%、CC-BY-NC-SA(表示-非営利-継承):6.9%で、商業的利用が懸念事項として挙げられる。​

[ニュースソース]

CHALLENGES OF THE LATIN AMERICAN OPEN ACCESS PUBLISHING MODEL - DOAJ 2017/1/17