ツイッターに現れる研究者の真実(記事紹介)

2017年04月25日

北米・中南米 ヨーロッパ

ネイチャ―誌4月20日付け記事" What all those scientists on Twitter are really doing"(試訳:ツイッターに現れる研究者の真実)を紹介する。本記事は研究者のソーシャルメディアの利用を詳細に分析した、PLOS ONE掲載記事"A systematic identification and analysis of scientists on Twitter"(試訳:ツイッターに現れる研究者の体系的な同定と分析)を解説するもの。著者はインディアナ大学School of Informatics and ComputingのCassidy R. Sugimoto氏等。

著者らは米国労働省統計局とWikipediaから得られた科学的職名リストを用いて、Twitter上に現れる職名の検索を繰り返し行い、その結果得られた4万5,867人について、どのような研究者が、何をツイートしているか、またツイッターネットワークには誰がいるのかを詳細に分析した。

分析からは、以下の点が明らかとなった。

・ソーシャルメディアでの出現頻度は男性よりも女性の方が多かった。ツイッターに現れる男性に対する女性の割合は0.62と、米国の科学論文での女性の出現(被引用)割合(0.43)に比べ明らかに高かった。米国の大学の正規教授は女性よりも男性が多いことが理由として挙げられるが、ツイッターへの参加者は予想以上に女性が多い可能性が高い。

・社会学と情報学の研究者はより多くツイッターに現れている。数学と生物学のソーシャルメディアの活用は少ない傾向にある。

・研究者のつながりについては、他の分野の研究者との交流が多い。

・ツイッターで共有しているWebサイトの上位20位には、FacebookやYouTubeあるいはThe New York TimesやThe Guardianなどのニュースサイトがある。科学関連で上位20位に入っているURLはnature.comだけであった。ツイートの多くは個人的なものであるから、科学関連のサイトが少ないのも不思議ではないが、研究結果を伝える方法として、価格の壁を避けるため、ニュース記事をリンクしているということも考えられる。

著者らは今後この方法でより多くの科学者について、ソーシャルメディアによる交流状況を調べる意向である。

[ニュースソース]

What all those scientists on Twitter are really doing - ネイチャー 2017/4/20