国際STM出版社協会とHagueは9月15日、研究者向けソーシャルネットワークサービスResearchGateに対し、同サイトでの論文共有に関して懸念を表明する文書を送付した。
会員1,300万人を有する最大の学術ソーシャルネットワークサイトResearchGateは、購読料を伴う論文のアップロードを促しているとして批判を浴びているとされている。同サイトの知的所有権ポリシーでは、利用者はコンテンツを共有する権利を所有しているか否かを調査することとしているが、論文は利用者自身によって同サイトに投稿されている。最近行われた調査によると、ランダムに抽出した論文500本のうち201本は出版社の著作権に抵触していた。
文書では、STMと共同で論文の共有ポリシーについて利用者とのコミュニケーションの改善を図ること、また2016年9月以前に投稿された論文については、STM会員である出版社は2018年6月までは投稿を許可するが、サイト上に残すべきか否かを関係者と協議することとし、2016年9月以後に投稿された論文についてはResearchGateとSTMによって評価されるべきとしている。
ソーシャルネットワーキングサービスを巡る著作権の問題については、エルゼビア社が2013年に論文2,800本の削除通知をAcademia.eduに送付している。
[ニュースソース]
Publishers go after networking site for illicit sharing of journal papers - Science 2017/9/20
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